受講生Q&A「脳がリラックスするとどうなるの?」

「脳をリラックスさせてどうすんだよっ」

おひるねハンドの施術後、説明を求められ、高齢の男性にそう言われたCさん。

施術はとても心地よさそうだったのに、どう説明すればよかったのでしょうか…?とご相談いただきました。

はじめから半信半疑で受けていた男性も、後半は心地よくて眠っていらしたそうで、Cさんの「おやすみハンド」は素晴らしかったのだと思います。

せっかく喜んでいただいたと思ったのに、うまく説明できずちょっと悔しかったですね。

それでは高齢者向けの活動について一緒に考えていきましょう。

レシーバーの希望にそったケアだったかな?

おひるねハンド」の効果として「脳をリラックスさせる」と「幸せホルモンを増やす」という2つの言葉で説明するのが一般的です。

ですからCさんの「脳をリラックスさせる」という説明は間違っていません。

それではどうすればよかったのでしょうか?

もしレシーバーが多忙な年代で、いつもやることで頭がパンパンな人は「脳をリラックスさせる」と聞いただけで「ああ、楽になれる」とすぐにポジティブなイメージがわきます。

でもリタイアしている高齢者の場合どうでしょうか?

毎日の暮らしに刺激が足りないと感じている方にとって「脳をリラックスさせる」という言葉は魅力的でしょうか?

「脳をこれ以上リラックスさせて、どうすんだよ!」と言いたくなるのもうなずけますよね。

レッスンで学んだ通り、高齢者に多く希望されるのは「脳の活性」です。

それではもう一度Energy Hand®タッチの基礎をふりかえってみましょう

自律神経を整えるには?

「脳のリラックス」とは副交感神経優位の状態に導くこと。そのための技術が「おひるねハンド」

「脳の活性」は交換神経優位の状態に導くこと。そのための技術が「おしゃべりハンド」

ですから脳の活性を希望される高齢者は「おひるねハンド」より「おしゃべりハンド」を好まれることが多いのです。

会話をしながら肌にふれるということは、体性感覚野のひろい部分を刺激して、脳を活性します。

それに対してギバーである私たちは「脳のリラックス」を求めている多忙世代なので「おひるねハンド」を好む方が多く、メニューも「おひるねハンド」だけになりがちです。

認定エキスパートの皆さんは、タッチケアのプロなのですから、ギバーもレシーバーもお互いに必要なメニューを楽しめると良いですよね。

ここで大切なのは、セラピーではないので「ギバーも心地よいメニュー」であることも大切で、自分が好きではない技術を提供する必要はありません。

認定エキスパートの皆さんは、どの施術がお好きですか?

 コース名 脳のリラックス 脳の活性
おひるねハンド ★★★
花まるタッチ®全身コース ★★★
花まるネイルケア(昼寝型) ★★★
おしゃべりハンド ★★★
お耳の花まるタッチ® ★★★
花まるネイルケア(対話型) ★★★
お背中の氣圧ケア ★★ ★★

私たちギバーにも個性がありますから、楽しく会話しながらの施術が得意な人、苦手な人、それぞれです。

ちなみに私は「おしゃべりハンド」が苦手なタイプですが、「お耳の花まるタッチ®」の施術は大好きです。

どちらも脳を活性するケアですから、自分の好きな方をメニューに加えればいいのです。

チームで活動していれば、自分の苦手な技術を得意とするメンバーがいるかもしれません。するとメニューも豊富になって、レシーバーさんは選ぶ楽しさも味わえますね。

対話もふれあいのひとつ

また、「ふれるとは何か?」で学んだ通り、そばによりそって会話を楽しむということも立派なふれあいでしたね。

ですから高齢者向けの活動でタッチケアのメニューが「おやすみハンド」のみだったとしても、会話を充分に楽しむ時間を加えることで、脳の活性も脳の休息も両方味わっていただけます。

私も、お話しを聞くことは好きなので、会話する時間とタッチケアの時間がわかれている「おみくじアロマ」が一番得意です。

このように、ふれる部位や方法によって、ギバーの得意不得意は必ず出てきますね。それは自然なことです。

「おしゃべりハンド」が苦手だから高齢者のケアはやらない、という選択をするのではなく、別の形でのふれあいの形を考えればよいのです。

上級クラスでは、そのように臨機応変に対応するための技術を学ぶことができます。

自分の技術の幅がひろがると、より自信をもって楽しく活動することができます。

脳をリラックスさせる、の先にあるもの

冒頭の言葉「脳をリラックスさせて、どうすんだよ」には、その先にある具体的な効果について知りたいという意味がこめられていますね。

皆さんは脳がリラックスして副交感神経優位になった時に得られる効果として、何をお伝えしますか?

副交感神経優位な時の特徴
  • 呼吸が深くおだやかになる
  • 血管の拡張による血流促進
  • 血圧の低下
  • 心拍数の低下
  • 消化を促進(唾液分泌促進)
  • ホルモンの分泌の安定
  • 筋肉の弛緩

さて、高齢なレシーバーへの効果として、あなたならどれを例にとりますか?

「脳をリラックスさせてどうするんだよっ」

という問いに対し

「血圧が下がりますよ。」

と説明したら、高血圧な人は喜んで納得しますね。

または

「唾液がたくさん出て、胃腸も活発になるので消化がよくなりますよ」

というと小食の方、食欲がない方、便秘でお悩みの方には喜ばれるでしょう。

たとえば血行促進を説明するにしても、冷えでお悩みなら

「血のめぐりがよくなって、体が温かくなりますよ」

というとわかりやすいですし、冷え性でない場合は

「血のめぐりがよくなると、体のすみずみにまで栄養がいきわたって、若々しくいられますよ」

という美容面を強調するといいかもしれません。

上記で説明しにくい場合には、幸せホルモンの効果で説明するとよいですね。

それを組み合わせることで、効果に納得できない方はほとんどいらしゃらないと思います。

※幸せホルモン効果については、長くなるのでまたあらためて詳しくご説明します。

ゆるみすぎが良くない場合もある

多忙世代にとって「ゆるむ」という言葉は大変魅力的ですが、ゆるみすぎがよくないこともあります。

Energy Hand®のタッチケアで「脳の活性」を促す技術を大切にしているのは、ゆるんでいる人を、さらに「ゆるみすぎ」にさせないためです。

自律神経はシーソーの関係でしたね。

一日の中で、ほどよく緊張したり緩んだりを繰り返すのが健康によい過ごし方です。

日中刺激の少ない毎日を過ごされている方は、副交感神経が優位になっている時間が多く、ゆるみすぎによって

  • だるい
  • 朝起きられない
  • 頭痛

などネガティブな状態になる可能性もあります。

アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などの慢性疾患をお持ちの方は、症状が強く出ることもあります。

大切なことは、自律神経はバランスを整えることが大切であって、ゆるめればいいというわけではないということです。

そう考えると「おひるねハンド」より脳を活性するメニューをオススメできたほうがいいように思いませんか?

それでも現実の活動では「おひるねハンド」を好む高齢者もいらっしゃいます。

たとえば、不眠を訴える高齢者の中には、夜眠れないために日中寝てすごす方も少なくありません。

夜に熟睡するためには、日中の脳の活性がどうしても必要なので、せっかくデイサービスに来たのだから、脳の活性の時間をプレゼントしたいと思いますよね。

でも一人暮らしの部屋で夜眠ったら、明日の朝もう目が覚めないかもしれないという不安に襲われている人の中には、デイサービスに行くと人の声や生活音がするので、ようやく安心して眠ることができるという人もいます。

このように、高齢者だからといって全員が「おしゃべりハンド」、多忙世代だから全員が「おひるねハンド」と決めつけないことが肝心です。

今ここの心地よい時間を過ごすために、お互いに何をして楽しむか、という視点でメニューを選べるといいでしょう。

Energy Hand®のタッチケア、本当に奥が深いですね!

効果を得られないたった一つのこと

ここまで読んで、なんだか自信がなくなってきちゃったな、という皆さまも安心してください。

Energy Hand®のタッチケアで健常な人が良い効果が得られない場合はたった一つ

「イヤイヤ受けること」

それだけです。

受けたくなかったのに触られた。

それは、自分の意思を大切にされなかったということですので、エナジーハンドのポリシーに反しますよね。

バカしない、否定しない、大切に扱う

それを守っている限り、メニューの選択が今ひとつだったとしても、悪い結果にはなりません。

冒頭の「脳をリラックスさせてどうすんだ!おじいさん」も、自分から腕を出してきたわけですから、体験してみたい!という意思がしっかりあったわけですね。

そして初対面の女性ギバーに優しくふれられて不覚にも眠ってしまい、これはなんだ?どんな技術なんだ?と質問する間、脳はずいぶんと活性していたことと思います。

はじめての経験をする、というだけでとても刺激的なのですから。

Cさん、実際の活動で体験した疑問をシェアしてくださって、本当にありがとうございました。

みんなが「あれはどうしたらよかったのかな?」という疑問に向き合うことで、どんどん技術者の幅がひろがっていきます。

体験してくださったご長寿にも感謝申し上げます!

まとめ

いかがでしたか?

脳のリラックスを促すケアと、脳の活性を促すケアを、レシーバーにあわせて提供できるようになることがタッチケアのプロギバーとして大切なことがおわかりいただけたと思います。

これからは「脳をリラックスさせてどうすんだよっ」と言われたら、レシーバーにあわせてお返事できそうですね。

そしてあらかじめ、●●な時は●●コースがオススメですとメニューに書いておけそうですね。

認定エキスパートの皆さんは、本当にあらゆる状態の方に喜んでいただけるEnergy Hand®の技術をお持ちです。

そのことにどうぞ自信をもってくださいね。

必要な方に、必要なケアを。

そして自分の大好きな技術を楽しめる時間にするために、どこで誰に何を提供するのか、楽しみながらみつけていってくださいね。

文:EHAJ代表 宝官明子

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