使い捨てカイロを使っていて、気づくと汗をかいていた・・という経験はありませんか?
使い捨てカイロは袋から出すだけで40度程度の温かさが12~14時間も保たれる、アウトドアでは素晴らしい温めグッズですが、日常生活で冷え性改善の目的で貼り続けていると予想外の危険もあります。
目次
危険な理由1:体を冷やす逆効果
使い捨てカイロを腹部や腰(体幹部)に貼っていて、気づくとカイロのまわりが汗をかいていた、という経験はありませんか?
これは、体幹部の熱が上がりすぎたために汗をかいて体温を下げようとしている発汗作用です。
冷え対策のつもりで貼っていたら、体は局部的に熱すぎて汗をかいて体温を下げようとがんばっている・・これでは体を冷やす逆効果ですね。
使い捨てカイロを貼ったままでコタツに入ったり、お布団で寝てしまったり・・一カ所の温度が高くなりすぎることで、自律神経のバランスが崩れてしまう可能性も。便利なだけに、貼りっぱなしになりがちな使い捨てカイロは、空調のある室内で冷え性改善目的の使用はオススメできないのです。
危険の理由2:低温火傷の危険
使い捨てカイロは10分前後で30度以上になり、その後44度から50度前後を10時間程度キープできるようになっており、最高温度は63度にもなるそうです(クラベタより)
40度から50度は温かく心地よいと感じる温度ですが、長時間同じ場所にあてることで低温火傷のリスクが高まります。
軽度の低温火傷の場合、皮膚が赤くなってヒリヒリする程度。これを低温火傷だと気づかずに経験している方も多いのではないでしょうか?肌に直接あてないこと、同じ場所に貼り続けないことなど、充分な注意が必要なのです。
特に糖尿病、高齢、乳幼児、泥酔している時は使用に注意が必要です。
危険な理由3:一日の体温のリズムが狂う
健康な人は一日に1度近く体温が上下します。特に睡眠時に体温が下がることで安眠が促されますので、冷え対策で寝ている間も使い捨てカイロを体に貼っていると良い睡眠につながりません。
また日中であっても、空調設備がある室内で貼り続けると、自然な体温リズムを狂わせる原因にもなってしまいます。
危険な理由4:自律神経のバランスがくずれる原因に
人間の体温は自律神経によってコントロールされています。寒い時は、交感神経優位になって手足の血管を収縮させて体温が下がらないように保ち、暑い時は副交感神経優位になって血管を弛緩させて放熱を促します。
外気の温度センサーは手・足・顔にあるAVA血管で、外気が暑くても寒くても体内の温度が一定に保たれるように常に見張っています。
手、足、顔が「寒い」と感じると体温を保つために交感神経を優位にして血流を収縮させるよう脳に指令を出しますが、一方で体幹は使い捨てカイロによって温められ常に「温かい」と感じて副交感神経優位にするよう脳に指令を出します。
どちらが正しいのか?脳は混乱してストレスをかかえて自律神経のバランスが崩れる原因になりかねません。
危険な理由5:自分で熱を作れない体に
使い捨てカイロに限りませんが、外から熱が加わる状態が続くと、体は自分が熱を作らなくても大丈夫だと勘違いしてしまいます。
ハラマキも、靴下も、使い捨てカイロも、常に使っていないと寒くていられない、という状態になってしまうのです。
冷えを改善したい皆さんが一番望んでいるのは、自分の力で温かさをキープできることですよね。熱を作る力はなんといっても筋肉です。
便利なホットケアグッズを上手に使いつつも、ウォーキングやスクワットなど下半身の筋肉を鍛えることで、自分で熱を作れる体を目指しましょう!
まとめ
使い捨てカイロを貼り続けると危険な5つの理由は
- 汗をかいて内臓を冷やそうとする逆効果の可能性
- 深部まで損傷する可能性のある低温火傷の可能性
- 一日の体温リズムが崩れる可能性
- 脳ストレスを増やし自律神経を崩す可能性
- 自分で熱を作れない体になる可能性
でした
アウトドアでは大活躍の使い捨てカイロですが、屋内での冷え性改善を目的とした長期のケアには向かないことがわかっていただけたでしょうか?
アウトドアでも、直接肌に当てない、他の暖房器具と併用しない、カイロに穴があいていたら使用しない、高温を感じにくい高齢の方、糖尿病の方、熱いと表現できない乳幼児は特に注意です!
冷え性改善を目的とするのなら、水とタオルさえあればできるホットタオルパックや自然素材で自然に冷めるハーブピローをオススメします!
文:一般社団法人日本エナジーハンド協会 宝官明子
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