目次
- 1 緊急時の不安に役立つ2つのケア
- 1.1 ①温める
- 1.2 屋外や電気のない環境で被災した場合
- 1.2.1 3つの首を温める
- 1.2.2 腹部を温める
- 1.2.2.1 心臓のすぐ下のみぞおち・腹部には太い動脈がありますので、温かい飲み物のペットボトルや使い捨てカイロなど温められるものがあれば、最優先で腹部を温めましょう。
- 1.2.2.2 何もなければ、洋服の上から、みぞおち部分を左右に軽くこすりましょう。優しい圧で心地よさを感じる程度で充分です。腕の筋肉を動かすことで体の熱をつくり、ふれることで血流を促進します。
- 1.2.2.3 もし子どもが一緒なら、大人がひざに抱えて腹部にぬいぐるみなどを抱かせるか、大人の手で腹部を温めましょう。年齢性別に関わらず、ふわふわのぬいぐるみや毛布など、心地よい手触りのものにふれることでC触覚繊維が刺激され幸せホルモン・オキシトシンが分泌されます。オキシトシンは不安で興奮している脳の偏桃体を鎮めることができます。これは大人も子供も高齢者も同じです。人とのふれあいが難しい場合は、温かく柔らかいものをにぎってもらことで落ち着く可能性があります。
- 1.2.2.4 もしお湯が沸かせる環境であれば、ペットボトルにお湯をいれて湯たんぽにしましょう。同時にタオルやハンカチでホットタオルパックを作り腹部や仙骨にあてて温めます。
- 1.2.3 仙骨を温める
- 1.2.3.1 不安で緊張が高まると交感神経が優位になり、血圧があがり、眼が冴えて寝つきも悪くなります。子どもは大人の緊張を察知して、不安でぐずったり腹痛をおこすこともあります。
- 1.2.3.2 いくら大人でも、緊急時に不安を感じるのは当たり前。そのため、まずは仙骨部位を温めることで副交感神経優位の状態に戻していきましょう。緊張のため便秘になってしまった時も、足が冷たくて眠れない時も仙骨の温めは有効です。
- 1.2.3.3 ホットタオルパックや使い捨てカイロで仙骨を温めながら深呼吸をすると、さらにリラックスして副交感神経優位になりやすくなります。ただし使い捨てカイロは長時間はり続けると逆効果になることもありますので、下記注意をご覧ください。
- 1.2.4 ▶ホットタオルパックの作り方と注意はこちら
- 1.3 ②タッチケア
- 2 まとめ
- 2.0.0.1 寒い環境で命を守るのは第一に体温を保つ工夫!物理的に体に熱を加えて温めましょう。温めるものが何もないのなら、心理的に温める事。温かい言葉、楽しいことを考える、大好きな人の写真をみる、ゲームや漫画などに没頭するのもOK。そして優しく肌にふれることで心地よさを感じるだけで、緊張を和らげストレスホルモンを減らすことができるタッチケアを実践してみてください。親しい人が一緒にいてハグできれば最高ですが一人だったとしても、セルフタッチケアで自分で自分の不安を和らげることもできます。
- 2.0.0.2 被災した当事者でなくても、過去の経験やニュース映像などで不安が強くなり眠れない夜を過ごす人は大勢いらっしゃると思います。いざという時に、この記事を思い出して少しでも楽になっていただけたら幸いです。
今まさに不安で眠れない夜を迎えようとしている方々へ、この情報が届きますように。
緊急時の不安に役立つ2つのケア
緊急時には体を温めるホットケアと肌を優しくさするタッチケアをやってみましょう!
①温める
体を温めることで、心も温めて不安を和らげることができます。なぜなら、体が温かいと感じる脳の部位と心が温かいと感じる部位は同じ島皮質だから。人間は体温が一定以下になれば死に直結します。体温と感情は強い結びつきがあり、寒い=不安、温かい=幸せです。不安を感じるときほど、体温を保つ工夫をすることが大切なのです。
屋外や電気のない環境で被災した場合
3つの首を温める
体温が奪われないために、手首(袖口)、足首(裾)、首(えりもと)から外気が入らないようにハンカチやタオルでしばるなど工夫をしましょう。ズボンの場合は靴下の中にズボンのすそを入れてしまうのも良いです。新聞紙をまくのも効果的です。
手首、足首、首にふれると、脈を感じることができますね。大きな血管が体表近くにあるため脈がとれるのですが、体温が逃げやすい部位でもあるのです。
腹部を温める
心臓のすぐ下のみぞおち・腹部には太い動脈がありますので、温かい飲み物のペットボトルや使い捨てカイロなど温められるものがあれば、最優先で腹部を温めましょう。
何もなければ、洋服の上から、みぞおち部分を左右に軽くこすりましょう。優しい圧で心地よさを感じる程度で充分です。腕の筋肉を動かすことで体の熱をつくり、ふれることで血流を促進します。
もし子どもが一緒なら、大人がひざに抱えて腹部にぬいぐるみなどを抱かせるか、大人の手で腹部を温めましょう。年齢性別に関わらず、ふわふわのぬいぐるみや毛布など、心地よい手触りのものにふれることでC触覚繊維が刺激され幸せホルモン・オキシトシンが分泌されます。オキシトシンは不安で興奮している脳の偏桃体を鎮めることができます。これは大人も子供も高齢者も同じです。人とのふれあいが難しい場合は、温かく柔らかいものをにぎってもらことで落ち着く可能性があります。
もしお湯が沸かせる環境であれば、ペットボトルにお湯をいれて湯たんぽにしましょう。同時にタオルやハンカチでホットタオルパックを作り腹部や仙骨にあてて温めます。
仙骨を温める
不安で緊張が高まると交感神経が優位になり、血圧があがり、眼が冴えて寝つきも悪くなります。子どもは大人の緊張を察知して、不安でぐずったり腹痛をおこすこともあります。
いくら大人でも、緊急時に不安を感じるのは当たり前。そのため、まずは仙骨部位を温めることで副交感神経優位の状態に戻していきましょう。緊張のため便秘になってしまった時も、足が冷たくて眠れない時も仙骨の温めは有効です。
ホットタオルパックや使い捨てカイロで仙骨を温めながら深呼吸をすると、さらにリラックスして副交感神経優位になりやすくなります。ただし使い捨てカイロは長時間はり続けると逆効果になることもありますので、下記注意をご覧ください。
仙骨は下記の赤い部分です。
▶ホットタオルパックの作り方と注意はこちら
②タッチケア
温めるものが何もなくても、自分の手さえあれば心を落ち着かせることができるのがタッチケアです。ふれることで心地よさを感じると幸せホルモンがふえて不安で興奮している偏桃体を鎮め、ストレスホルモンを減らすことができます。感覚神経を通して脳をリラックスさせて、不安を和らげることができるのです。そのため、避難所には不要に思えても、お気に入りのぬいぐるみやおもちゃ、ふわふわ毛布などを持っていくと役立つでしょう。
自分一人のセルフ・タッチケア
胸(心臓のあたり)や、みぞおちに手を当てて深く息を吐きながら、ゆっくりとなでおろします。なでるスピードは、赤ちゃんをあやす時のイメージで、ゆっくり優しい方が効果的です。
目を閉じて、「大丈夫、大丈夫」と声をかけながら(または心の中で言いながら)ふれている感覚に集中すると効果的です。(花まるタッチ®ができる人はやってみよう)
呼吸や心臓が早くなっていることに気付くと思いますので、まずは呼吸をいつもより大きくゆっくり吐くことに集中しながら、優しくふれてみましょう。
親しい人とペア・タッチケア
背中側の肩甲骨の間(心臓の後ろ)に手をあてて深く息を吐きながらなでおろします。
可能なら声に出して優しくゆっくり「大丈夫、大丈夫」と声をかけながらなでましょう。親しい人同士でおこなうのがポイントです。相手を想いながらふれることで、施術側も幸せホルモンが増えるので、双方の不安を和らげることができます。
頭がさえて眠れない時
背中を一定のリズムでトントンします。自分一人の場合も、心臓を下(左半身を下)にして左手で自分の背中にトントンします。優しくゆっくり一定のリズムで。ここでも赤ちゃんをイメージするとよいでしょう。簡単な方法ですが、驚くほど安心します。
足が冷えて眠れない時
まずは三つの首、腹部・仙骨の温めをしましょう。軽いストレッチをして血行促進するのも有効です。また、何もなくてもすぐできるタッチケアを試してみましょう。お布団で寝る体制で、鼠径部(足のつけね)に手をあてて、息を吐きながら足先に温かい血液がめぐるイメージをしながら、さすります。心地よさを感じられたらさらに効果的です。
まとめ
寒い環境で命を守るのは第一に体温を保つ工夫!物理的に体に熱を加えて温めましょう。温めるものが何もないのなら、心理的に温める事。温かい言葉、楽しいことを考える、大好きな人の写真をみる、ゲームや漫画などに没頭するのもOK。そして優しく肌にふれることで心地よさを感じるだけで、緊張を和らげストレスホルモンを減らすことができるタッチケアを実践してみてください。親しい人が一緒にいてハグできれば最高ですが一人だったとしても、セルフタッチケアで自分で自分の不安を和らげることもできます。
被災した当事者でなくても、過去の経験やニュース映像などで不安が強くなり眠れない夜を過ごす人は大勢いらっしゃると思います。いざという時に、この記事を思い出して少しでも楽になっていただけたら幸いです。
文:一般社団法人日本エナジーハンド協会 宝官